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<解説>

 

「立ち止まらずに、俯(うつむ)かずに歩いてゆける世界で生きたい」と、シリア難民の女性がテレビで語っていました。彼女の望む明るい未来は、小さな我が子の将来を案じたものでしたが、恐怖の日々を知るがゆえに、とても重みを感じる言葉でした。

 

民族、地域、宗教の違いは、今でも悲惨な戦争の火種となっています。そして、毎日多くの人、家族、大切な人が亡くなっている悲しい現実があります。大切に積み重ねた日常、毎日通っていた学校、病院、文化施設などが破壊され、仕事を失い、現在と未来に不安な毎日を過ごす人々。フランス、モンゴル、タイ、トルコ、多くの地域でテロが発生し、突然人生が終わってしまう恐怖。一生、精神的なダメージを負って苦しむ子供。恐怖と暴力はまた、新たな狂気を生み出し、映画さながらの戦争や暴力的なテロリズムは、今や世界のいつ、どこで起きても不思議ではありません。

 

戦火の子供たちは、恐怖の中で過ごすためだけに生まれてきたのでしょうか。私たちは恐怖を作りだすために、生きてきたのでしょうか。私たちが将来に残せるものは、不安と怯えと俯(うつむ)いた日々なのでしょうか。これ以上、互いに分かり合えることはないのでしょうか。

 

私たちは今どこに向かっているのか、向かおうとしているのか。静かに過ぎゆく日々の中で、立ち止まらずに、俯(うつむ)かずに明るい未来の礎を築いて行きたいという思いを込めて作曲致しました。

 

2016年1月1日

<歌詞>

 

明るい未来

作詞・作曲:柳澤 衛

 

愛することの意味も分からずに 

日々を送る人がいるなら

あなたの微笑みを歌に変えて   

独りじゃないと伝えて欲しい

 

生きてゆくことの楽しみさえも  

許されない人がいるなら

あなたの微笑みを夢に変えて 

あきらめないで伝えてほしい

 

こころを閉ざす絶望のやみ  

僕らの船は 突き進んでゆく

傷つけ合って こわし続けて   

希望も 歌も 望まない世界へと

 

愛を伝えて 希望を与えて 

あなたの夢を歌って

あきらめないで ほほえみ続けて 

立ち止まらずに うつむかずに

明るい未来を 築いてゆこう 

あなたとともに

 

 

心をくじく悲しみの果てに  

僕らの船は 突き進んでゆく

分かり合えずに 離れてゆくよ・・・ 

誰もが 望まない世界へと

 

だから愛を伝えて 希望を与えて 

あなたの夢を歌って 

あきらめないで 微笑み続けて 

愛すること 愛されること 

生まれてきたこと 去り行くことを 

誰もがいつも 心に秘めて 

問い続けながら 生きているから 

立ち止まらずに うつむかずに 

明るい未来を 生きてゆこう 

あなたとともに

今、僕らは何が残せるだろう 未来のために

「明るい未来」への思い
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